爆弾

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爆弾

2026年に最初に読んだ本(読み始めたのは2025年だが)

全体を通して、映画『ジョーカー』の日本版のような印象を受けた。

本作の大きなテーマは、「命の価値は本当に平等なのか」という問いだと感じた。スズキタゴサクという狂人と、まっとうに生きている人の価値は同じなのか。社会的に成功していない中年と、これから未来を担う子どもの価値は等しいのか。簡単には答えが出せない、非常に重いテーマだと感じた。

また、「正義とは何か」という点についても考えさせられた。警官も一人の人間であり、聖人ではない。税金で成り立つ職業だからといって、全国民のために常に命を懸けなければならないのか。自分の子どもを優先して守りたいと思うのは、ごく自然な感情ではないか。そうした「当たり前の人間性」を、あらためて突きつけられる作品だった。

物語は取調室を中心に展開するが、終始飽きることはなかった。とくにスズキタゴサクの狂気が文章から溢れ出ており、その恐ろしさが強く印象に残っている。映画版はまだ観ていないが、小説は間違いなくおもしろかった。